2005年10月20日付けの読売新聞に,「矯正歯科 技術認定厳しくーーー治療写真や歯型模型の審査,面接・・・5段階で評価」との見出しで掲載された通り,「日本矯正歯科協会」の第2回認定審査が2005年9月末,都内で実施されました.
同紙は,「技術水準を反映していない専門医制度に対して患者側からの反発が強まっている中,認定の際に実技を考慮している医学会はいまだに10余.兼ねてから患者に見えやすい専門医制度を作るため,医師や歯科医の「技術」を,誰が,どう審査するか,先進的な方式を採用している「日本矯正歯科協会」の試みが参考になりそうだ」としている.
さらに同紙は以下のように論説している.同協会の審査法としては,申請時に100件の実績データを提出.このうち審査委員会が任意に5件を選び,詳細な資料の提示を求める.審査にあたるのは,同協会の顧問で,6000件の治療経験を持つ与五沢(よごさわ)文夫審査委員長はじめ,20年以上の専門開業歴と1000件以上の治療経験を持つ,総会での承認を経て選出された6人の審査員.審査委員会の各委員は,
その結果,以下の点から総意として5段階の総合評価を下す.
<レントゲン,写真から> ▼顔のバランス.閉唇時に口腔周囲筋に緊張がないか ▼前歯の傾斜は審美的,機能的に最適か ▼歯根の平行性に乱れがないか<模型,レントゲンから> ▼歯並びが左右対称で調和がとれているか ▼ズレや隙間(すきま)がないか ▼かみ合わせ(前歯部・犬歯,奥歯の関係)は適切か
医科・歯科の各学会が技術認定に二の足を踏む一因は,「一定レベル以上」を「総合評価」することの難しさにある.同協会では,米国の制度を参考に,〈1〉厳しい評価基準〈2〉審査プロセスの透明性――を徹底させることで信頼性を担保する方式を採った.
今回の審査では10人中9人が認定され,認定者は計31人.同協会では今後,より透明性の高い認定制度を追求していく方針.矯正歯科を専門的にトレーニングするための基準となる教育カリキュラムの作成や,優れた教育施設の認定にも乗り出すとしている. 「矯正歯科の看板を掲げる歯科医は約1万8000人いるが,十分なトレーニングを積んだ者は数百人.質の低い治療を駆逐したい」 と与五沢審査委員長は話す.同紙はこう書評している.